一眼レフの楽しさと言えば、やっぱり「レンズの使い分け」ですよね?標準で付いてくるズームレンズでも良いことは良いんですが、やっぱりレンズを変えて自分のイメージする写真に近づけたいと思いますよね?
そこで今回は、初心者の方が次に買うレンズ選びのポイントと、オススメのレンズについて解説したいと思います。
レンズの種類を知ろう
まずはレンズの種類と特徴を知って、自分はどんなレンズが欲しいんだろう?ってことを考えてみましょう。
標準ズームレンズ
一眼レフのレンズキット買ったら多分付いてくるのが標準ズームレンズです。広角から標準的な画角までズームできる標準ズームレンズは、使い勝手は良いけど、慣れすぎるとズボラになってしまいます。やっぱり写真の基本は自分の足で被写体まで近づいて撮ることだから、ズームに慣れすぎると写真が上達しません。
「もうちょっと寄りたい」とか、「もうちょっと画角を広げたい」って時に便利なレンズだけど、標準ズームというだけあって、面白みに欠けるレンズでもあります。初めは標準ズームレンズでも楽しいけど、直ぐに飽きて次のレンズが欲しくなるのも標準ズームレンズの特徴じゃないかな?
高倍率ズームレンズ
高倍率ズームレンズは、標準ズームレンズの拡張版って感じです。広角から望遠までメチャクチャ幅広くカバーできるから、どんなシーンでも活躍してくれるレンズです。
でもやっぱりƒ値が大きいのと、ピントが甘いのが玉に瑕です。あと、デカくて重いです。
以下はD800に付いてた高倍率ズームレンズで撮った写真です。絞りは最大開放で撮ってます。
↑これが焦点距離28mmの画角です。しっかりピントを合わせたつもりだけど、手前にピントが来てて、何だかボヤッとした写真になりましたね。ƒ値(絞り)3.5ではこれぐらいのボケ味です。
次の写真が同じ距離から300mmまでズームさせた写真です。
↑これが300mmまでズームさせた時の画角です。バチッと世界を切り取れますね。
28〜300mmと結構な画角の幅があるから、どんなシーンにも対応できて便利なんだけど、その分ƒ値が大きくて暗いです。あと、1枚目の写真の様に、しっかりピント合わせしたはずなのに、ズレることが多々あります。
これが高倍率ズームレンズの特性ですかね?
レンズ1本であらゆるシーンをカバーしたいって人は、28.0-300.0mmぐらい幅の広い高倍率ズームレンズを持っておけば良いと思います。
望遠レンズ(単焦点)
遠くの被写体を撮る時に使うのが望遠レンズで、ズームレンズと違って単焦点なのが特徴です。単焦点だからその画角の写真しか撮れないけど、その分ƒ値が小さくて明るいから、シャッター速度を上げられます。
野鳥を撮ったり、スポーツの写真を撮る時とか遠くにいる動きの早い被写体を撮るのによく使われます。普通の人はまず買わないレンズです。値段も余裕で100万円とか超えてきますから、相当マニアじゃないと手が出ないですね。
単焦点レンズ(標準)
写真の練習するには50mmぐらいの標準レンズがベストです。単焦点レンズはズームができないから、被写体までの距離を自分の足で調整しないとイケません。その感覚を身につけることがカメラ上達の道です。
標準の単焦点レンズはƒ値が小さく明るいのが特徴で、値段も熟れてて買いやすいです。ƒ値開放で撮るとスゴくボケ味のある写真が撮れて「一眼レフで撮った写真」って感じの写真が撮れますよ。
以下は僕の持ってる単焦点標準レンズで撮った写真です。
ƒ値1.4で撮るとこれぐらい背景がボケてくれます。
さっきの高倍率ズームレンズとボケ味の比較をしてみましょうか。
↓まずは単焦点レンズ
↓次に高倍率ズームレンズ
一応焦点距離は同じ50mmに合わせてるけど、ちょっと画角が違いますね。レンズの長さの問題かな?
ボケ味がぜんぜん違うのがわかると思います。高倍率ズームレンズの場合は、50mmの焦点距離だと最大開放でもƒ値が4.5だからここまでしかボケません。
もっとズームさせればボケるけど、画角が超狭まるから背景情報が殆どなくなってしまうんですよね。
ちなみに高倍率ズームレンズでも、300mmまでズームさせればこれぐらいボケます。↓
背景はボケたけど、画角が狭すぎますね。狙ってこれなら良いんだけど、背景の色味を使いたいときとかはちょっとむずかしいですね。
「とにかくボカしたいんだよ」って人はƒ値が小さい明るいレンズを選べばボケ味を楽しめるから、標準の単焦点レンズがおすすめです。
ズームができない分、被写体までの距離と体で覚えることができるから、特に初心者の方にはオススメのレンズだと言えるでしょう。
広角レンズ
画角を広く撮れるのが特徴の広角レンズは、部屋の全体の写真とか、集合写真、自然の雄大さを撮りたい時に重宝します。
画角が広い分、1枚の写真にたくさんの情報を詰め込むことができるから、部屋全体の写真を撮りたかったりとか、自然の雄大さを伝えたい時とかに力を発揮してくれて、標準の画角では撮れない面白写真が撮れたりします。
一時期、広角を極端にしたフィッシュアイ(魚眼レンズ)と言うのも流行りましたね。魚眼レンズで犬の鼻をアップにした写真が人気を博しました。
マクロレンズ
マクロレンズは最短撮影距離がメチャクチャ短いレンズのことです。普通のレンズでは近づけない距離まで近づいてもピントを合わせることができるから、昆虫とか花や葉っぱに付いた水滴とを撮るのに最適です。
↓さっきの造花の写真をマクロレンズで撮ってみるとここまで近づけます。
ちなみに先程の高倍率ズームレンズだとこの距離でもうピントが合いません。
よりマクロな世界を切り取りたいなら、マクロレンズがおすすめです。もちろん普通の撮影距離でも写真は撮れるし、マクロレンズで普通の写真を撮ると、周辺が暗くなったりして味のある写真が撮れたりします。
マクロも撮れるズームレンズとかもあるけど、やっぱり単焦点の方が明るいし、より近づけるからマクロレンズ買うなら単焦点がオススメです。
レンズの種類はこんな感じですかね。たぶん望遠レンズとかは初心者の方には無縁のレンズだから気にしなくていいと思います。
タイプ別おすすめのレンズ
ざっとレンズの種類と特徴を説明した所で、タイプ別にオススメのレンズを紹介していきます。
たくさんレンズを持ち運びたくない人向け
高倍率ズームレンズがオススメです。広角から望遠まであらゆるシーンで使えるレンズだから、1本持っておけば大概の場面で困ることはありません。
作品を撮りたいというよりは、日常で便利に使いたい人におすすめのレンズです。
とにかくボカした写真を撮りたい人向け
単焦点の明るいレンズを選びましょう。明るいレンズとはƒ値が小さいレンズのことです。ズームレンズは基本的に焦点距離に応じてƒ値も変動するけど、単焦点の場合は一律だから、常に最大開放で撮れて、ボケ味のある印象的な写真が撮れます。
ƒ値1.8以下のレンズを選ぶと良いでしょう。
自然を撮りたい人向け
広角レンズを選ぶと良いと思います。以前、プロの自然写真家の方に話を伺った際「広角レンズしか持っていかない」とおっしゃっていました。広角レンズ1本だけ持って山に入っていくこともよくあるとか。
なので、自然を撮りたい人は広角レンズで間違いないでしょう。自然の雄大さを表現できると思います。
印象的な写真を撮りたい人向け
マクロレンズが良いでしょう。接写して普段は見えない世界を切り取ったり、あえてマクロレンズでポートレート写真を撮ると味が出たりします。
イメージの幅が広がるから、普通とは違う写真を撮ってみたい人はマクロレンズをオススメします。
とにかく安いのがいい人向け
単焦点の標準レンズが良いと思います。俗に言う「撒き餌レンズ」と呼ばれるものです。性能が高いのに値段が安いのが特徴で、ちょっと信じられないぐらいの値段で売られています。
たぶんメーカーの戦略(マーケティング)で安くしてるんだと思うけど、標準の単焦点レンズは写真の練習にもなるし、明るくてボケ味も楽しめるから、どんな人にもおすすめの1本だと思います。
とにかく持っておいて損はないレンズです。
子供をメインに撮りたい人向け
明るい標準ズームレンズがオススメです。初めから付いてくる標準ズームレンズでも良いけど、出来ればもっとアップグレードして、ƒ値が通しの明るい標準ズームレンズを選んでください。
ƒ値が通しのレンズって言うのは、ズームしても最小ƒ値が変わらないレンズのことです。
子供は基本的に動き回るから、シャッタースピードを上げないとブレてしまいます。なので出来るだけ明るいレンズが良いんだけど、単焦点だと、自分も動き回らないと撮れないから、ある程度ズームできた方が便利なんです。
自然な雰囲気を撮りたいと思っても、近づいてしまうとカメラに興味を示して自然な感じが出にくくなります。そんな時にもズームが出来ると、バレない距離から狙えるんで、より自然なショットが撮れたりしてオススメです。
運動会に持っていきたい人向け
高倍率ズームレンズ1択でしょう。望遠ができないと誰を撮ってるのか分からない写真になってしまうし、逆に単焦点の望遠レンズだと近くに来た時撮れません。
外で砂埃とかも俟ってるから、レンズを付け替えたりするのもオススメできないので、1本で全てカバーできる高倍率ズームレンズがオススメです。
野外で明るい状況下だから、暗いレンズでも問題なくシャッタースピードは稼げるんでブレの心配もないですよ。
まとめ
一眼レフ初心者の方が次に買うレンズ選びの参考になればと思って、僕なりにまとめてみました。
かなり偏見も入ってるから、あくまでも参考程度にしてもらって、次のレンズを選んで貰えればと思います。
image: Amazon