一時期、ターボを搭載した車は少なくなってきましたが、最近またターボ搭載の車が増えてきています。
一体、ターボとはどういう物で、どういう仕組みなのでしょうか?
今回は、ターボについて説明します。
ターボとは?
正式名称は、「ターボチャージャー」と言います。エンジンに付けられている装置です。
エンジンが回転(燃焼)をする時に、発生する排気ガスを利用して、エンジンの熱効率を高めるために搭載されています。
ターボの仕組み
エンジンは燃料を燃やしたエネルギーを使って、車輪を動かしています。この時、「排気ガス」も一緒に発生させています。
普通のエンジン(自然吸気エンジン)では、この排気ガスは排気管を通して、排出されますが、ターボエンジンの場合は、排出する前に「タービン」と呼ばれる風車に当て、高速回転させることで、エンジンが燃料を燃やすために使う空気を圧縮します。
空気を圧縮すれば、エンジン内部に流しこむことができる酸素の量を増やす事ができるので、同時に燃やすことができる燃料も増やす事ができるわけです。
よって、ターボが搭載されているエンジンは、普通のエンジンよりパワーが強くなるので、スポーツカーなどに多く搭載されています。
ターボとスーパーチャージャーの違い
ターボの他にも、スーパーチャージャーと呼ばれるモノがありますが、違いは何でしょうか?
スーパーチャージャーの仕組みは、電動モーターなどでコンプレッサー(圧縮機)を動かし、圧縮された空気がエンジンに送り込まれます。その後の仕組みは、ターボと同じです。
ターボは「排気ガスを利用し、圧縮された空気を送る」
スーパーチャージャーは「機械的に圧縮された空気送る」
という空気の圧縮方法に違いがあるんですね。
ターボ車のメリット
1980年代から1990年代まで多くの自動車に搭載されていたターボですが、時代の流れで、低燃費・エコの自動車が優先されるようになり、新型自動車には、ターボ無しの自動車が多く発売されました。
しかし、近年ターボの技術が進み、ターボエンジンでも低燃費で環境にやさしい自動車が登場してきました。
低燃費
2Lのターボ無しエンジンと1.5Lのターボ付きエンジンで、出力もしくはトルクが同程度のエンジンを比較した場合、ターボを装着したエンジンは燃費を2割前後改善することができます。
エネルギー回収効果
自動車のエンジンから排出される排気ガスは高温になっており、熱をそのまま車外に捨てています。ターボを使うことによって、熱エネルギーの1割を回収する効果があります。
走りやすさ・低回転で高トルク
一般にターボ無しエンジンでは、最大トルクを得るには4000回転以上にアクセルを踏み込む必要がありますが、ターボ車では1500回転程度から最大トルクが発揮されます。
軽いアクセルの踏込みで、楽に運転が出来るようになります。
ターボ車のデメリット
コストの高さです。
これは当然のことですが、ターボエンジン搭載車は自然吸気エンジン搭載車に比べて、ターボの効率を上げるため、吸気を冷やすインタークーラーなどの部品に多くのコストが掛かります。
特にターボやインタークーラーは高い精度が必要な部品なので、自然とコストは高くなります。
近年のターボ事情
軽自動車でターボを搭載することが多いのが実情ですね。
軽自動車の小さなエンジンを高出力にすることで弱点だった、上り坂の加速力など走りに対する技術が進歩し、快適な走りを実現しています。
バスなどの大型自動車では、低燃費・低排出ガス化・空間の利用などをするのに、ターボエンジン搭載車両を使うことでエンジンが小型にるメリットが有り、一般的になっています。
まとめ
ターボの仕組みは分かって頂けたでしょうか?
最近は多くの軽自動車に搭載されています。快適な走りになった軽自動車ですが、コストが掛かり車体の単価が高くなっているのも事実です。
新車や中古車など購入の際に参考にして下さい。